家計の値上げ許容度
今週、こんなことがニュースになりました。
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日銀の黒田東彦総裁は6日に共同通信社が都内で開いた会合で家計が値上げを受け入れつつあるといった趣旨の発言をしています。
さらに黒田氏は参院財政金融委員会で「家計の値上げ許容度が高まっている」とした自身の発言について「誤解を招いた表現で申し訳ないと思っている」と謝罪した。官邸で同日開かれた経済財政諮問会議・新しい資本主義実現会議合同会議後に記者団に答えた。
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今年に入ってから毎日のように値上げのニュースが続いており、値上げしていないものを探す方が難しい日々です。
でも生きていくためには食費もインフラ代も払わざるを得ません。
なんでも勝手に値上がりするから、仕方なく、どうしようもなく受け入れざるを得ないだけで
別に受け入れてないわ!!!!
という声で溢れてますね。
私もそのように思います。
食費もさることながらテレワークも増えたのに電気代があがりすぎなんじゃ!!!
ただ、一部の言葉に過剰反応しているなとも思います。
黒田氏の発言を切り取らずに最後まできちんと聞きますと、「家計の値上げ許容度が高まっているこの間にマクロ経済学的に賃上げを狙っていく」ということをいっていますね。
先に話した通り家計の値上げ許容度は別に高まってはいないものの、受け入れざるを得ないことは間違いなく、どうにかしてほしいのは同じです。
ただしもう今から価格が下がるってことは限りなく難しいし、みんな分かっている、
(それが黒田氏の言いたかった許容度ってことかもしれません)
となれば国民の収入を増やしていくしかないわけです。
今回の黒田氏の結論を最後まで聞けば、マクロ経済学的に至極まともで当たり前のことを言っているだけなのですが
変なとこで叩かれちゃってるし野党がまた「あなたは買い物しないんですか」みたいな下らない質問して論点ズラしてるなー、なんて歯がゆく思いました。
ただ実際に目の前の苦痛の方に目がいきがちですし、この状況が続けばどんどん体力だけ削られます。
すると冷静な見方が出来なくなりますね。
でも政治はそれだけじゃダメだと思います。
(黒田氏は政治家ではないけども。)
此度のニュースで「先に賃金を上げろ!」という声もありましたが、順序的に物価上昇が先になるでしょう。
数理経済学的に資本主義では物価上昇≒所得上昇≒GDP上昇ということは証明されています。(もちろん物事には例外もあるでしょうけど)
タイムラグこそありますけど物価が上がれば回り回ってゆくゆくは給料に転化されるはずなのです。
給料が一圓で高給取りだった時代があった訳ですしね。
だから、節約を頑張ろう!価格を据えおこう!という努力も大切ですし当ブログで節約ライフハックを展開してもいいのですが、
むしろいいものにはお金を払ってみんなで給料をあげよう!という方向にも努力すべきではないかと思っています。
今更玉ねぎ1袋300円から100円に戻っただけで解決する話でもなくなってきました。
海外では普通に値上げしていますし、日本人は節制的な企業努力を頑張りすぎなのかもしれません。
あのユニクロですら1000円も値上げをすると発表しましたし、本来、原価のみならずその製品を生み出すために必要だった労力にもきちんとした対価が支払われて然るべきなのです。
以前、安い労働力というと、その筆頭は中国、そして東南アジアの国々でしたが
昨今、百円ショップにいくと意外と日本製が増えているらしいです。
つまりそういうことなんです。
日本人の素晴らしい技術が安く買い叩かれて結局なくなるとなれば非常に不幸なことです。
だから、払うべきものには然るべき対価を払う。
でも無駄なものは見直す。
このサイクルが必要です。
そして現金はどんどん目減りしていますから、ただ銀行に預けっぱなしの資産を見直すことも必要でしょう。
つまり、老後2000万問題もゆくゆくは2000万じゃ足りなくなるということです。
さらに言えば、このままじゃどうしたって諭吉よりも栄一の価値が低くなってしまいますし
みんなで栄一を救わなきゃ栄一も深谷市民も浮かばれません。笑
(もちろん渋沢栄一さんの人間的価値のことではありません悪しからず)
そういう、マインドシフトをみんなでしなくてはならない時がきているなと思いつつ、
貧乏性の私は顧客が買ってくれなかったら泣いちゃうのでチキンな見積書をせっせと作っている昨今です。
賃上げの春は遠い…
まだまだ節約と運用を頑張るしかなさそうだ。
深森