個性とどう向き合うか③
前回述べたように、個性と向き合うために肝心なことは関係性を築くことです。
ただ、その上でさらに考慮したほうが良いのは、相性だと思います。
相手の気持ちを大事にする人と、しない人の組み合わせだと、居心地が悪いですよね。逆に、お互いの気持ちを大事に出来る関係はとても心地良く、力が湧いてきます。
それと同様に、HSPにも最適な相性があると思います。むしろ、HSPはこの相性に最も左右される個性かもしれません。
ここから書くことは恩師から学んだことを例にしたものです。あくまでも僕個人の解釈と考え方に基づきます。
例えば2人が何か決めなければいけないとしましょう。
HSPと非HSPだと、非HSPは思ったことを遠慮なくどんどん言えます。逆にHSPの人は思ったことを言う余裕がなくなります。相手の話をきちんと聞くなかで、非HSPの人の気持ちをくみすぎたり、勢いと有無を言わせぬ圧のある一方的な対話に疲れがたまったり、思考力が落ちたりするからです。
自分の意見や、本当は見えている非HSPの人の考えの落とし穴を言えないで終わってしまいがちです。特に、初めてお会いする方や関係が浅い方との対話ではお互いメリットがないかもしれません。相手の意図をくみとれる幅や深さが違うからです。
一方で、HSPとHSPであれば、感受性の高さからお互いに相手の機微を察することができます。それだけで会話も対話もリズムもテンポも良くいくでしょう。
ただ、以前に少し触れましたが、僕はHSPにも感受性の強弱や種類があると思っています。したがって、HSP同士だからといって、上手くいくとは限らないです。
必ずしもHSPと非HSPが上手くいかないわけではないですし、HSP同士が上手くいくとは限らない。だからこそ、関係を築くことが重要なのです。
3回にわたるコラムの最後に相性の重要性に触れました。
相手のことを考えながらも、まず自分がHSPかどうかを知ることも大切かもしれません。それで自分がもし非HSPだとしても、周りにいる人と協力しながら関係を築くのも一つの道だと僕は思います。
もし、HSPかもしれない人のことを放っておけないと思ったら、なんてことない雑談からでも少しずつ関係を築いていってください。伝えたいことを伝えるのは、それからだと思います。
心がこもっていれば、気持ちはきっと伝わるはずです。
僕の考えは当たり前のことでありきたりかもしれません。しかし、それを大切にしたいです。HSPであろうとなかろうと、人同士に必要なことは深い理解と心の距離感だという想いで考えています。
茶昊