鬼滅の刃ヒットの考察
先日最終巻が出て新聞ジャック等また話題になりましたね。
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/鬼滅の刃-新聞広告-並べてみたら圧巻-計15キャラが5新聞に/ar-BB1bC9dM?ocid=msedgntp
ついに映画の興行収入も日本一になろうかというところ。
やっとコミックス全て読み終わりましたので、なぜ鬼滅が流行ったのか考察してみました!
ネタバレは含みませんので御安心下さい。
まず、コロナ禍で暇だった時に一気に見て火がついた勢は第2陣。
それから孫を始め姪っ子甥っ子の話について行くために見ていたらハマったとか、行列に並ぶ心理で見ている勢が第3陣といったところでしょうか。
その前から一部、とくに女性の間で流行っていました。ここが第1陣。
第2陣以降はコロナ禍も相まってヒットしたようなものだと思うので、まずは第1陣について考察したいと思います。
ジャンプコミックスが女性にヒットするのは珍しいこと。
ジャンプの王道と言えば努力友情勝利であり、鬼滅もそこは外していない。
ただ強いて言うならその三要素を押しのけて上位に来た要素がある。
共感と感情移入。
それは特に女性が求めていることです。
物語は、幸せそのものだった家族が鬼に虐殺されるところから始まる。
登場人物それぞれに物語があって、みんな何かを背負っていることは他の漫画とも変わらないけど、
敵である鬼にもストーリーがあり、鬼の背景まで丁寧に描写している点と、そこに主人公の炭治郎が心から想いを寄せて共感する点が他の少年漫画と圧倒的に違う。
恐らくジャンプ史上最も優しいと言われる主人公。
恋人や旦那さんが炭治郎のようだったら世の女性は嬉しいでしょうし間違いなく女性受けはいいと思います。
これまでのジャンプは、悪者は悪者。それをやっつけるヒーローは強くてたくましい。
鬼滅のキャラクター達は、強くてかっこいいヒーロー像とは少し異なり、弱音も吐くし、しんどいことは素直にしんどいと言うんですよね。
そこを認めた上で、踏ん張って乗り越えようとする姿は多くの読者に親近感を与えている。
ヒットの理由は切なさや世界観、キャラクターの魅力など色々言われていますが…
ストーリーそのものは、大人的にはちょっとひねりが足りないかもしれません。
いずれにせよわかりやすいですね。
それゆえ子供ウケもしやすいと思います。
大正時代という設定のため読んでみたら高齢者も意外と入り込みやすかったのでしょう。
女性ウケがいいのは納得。
ジャンプだから男性はまあ読む笑
読みやすいので子供に流行り、そこから両親に繋がり、コロナ禍で祖父母にまで波及し、
老若男女の巨大コンテンツに発展した、という流れでしょう。
余談ですが、最近のSNSなどでの誹謗中傷を見るに、文脈を読めない人が増えていますよね。
表面的な言葉に反応して人を攻撃する人、相手を思いやれない人が多くてみんなSNSに疲れている。
でも鬼滅では例え憎い敵であってもその敵のことを虚しい、悲しい存在だとその胸中を思いやってあげる炭治郎や漫画の世界観にみんな癒されたのではと予測します。
ストーリーが面白いと言われて思い浮かぶことは、あっと驚く展開や視聴者を裏切る展開、予想のつかないラスト、飽きさせないハラハラドキドキの展開、スピード感があるかと思うのですが
鬼滅の場合はむしろ予想を裏切る程の主人公の優しさ、家族愛、キャラクターの魅力がみんなの心に刺さったのではと思う。
正直コロナじゃなかったらここまでは流行らなかったかなーとも思いますが、23巻で完結するというコンパクトさ、スピード感も良かったのでしょう。
タイミングもバッチリで、ちょうどコロナ禍に再放送したところ、しんどい状況にある日本国民の心にマッチしたので爆発的にヒットした。
漫画だと技の流れやアクションの動きがよく分からないですけどアニメだと綺麗に見せてくれますよね。
しかも全部アニメ化されていないんです。
今アニメ化されているのは6巻まで、映画は7巻あたり。
観たいなら映画館に行くしかないんですね。
テレビCMは打たない代わりに他商品とのコラボなどマーケティングも巧みです。
だいたい人気の作品を見たらやっぱり面白いなと思うのですが、鬼滅の刃に至っては面白いとはまたちょっと違う感じを受けました。
今この時代に万人受けするのはこういう類なのだなと知れたことは大きかったです。
深森