奮い立て
実は今、全国で企業の「休廃業・解散」が増えている。
これは「倒産」とは違う。
「倒産」はキャッシュフローが回らなくなり、債務超過となって事業が存続できなくなることを言うけれど、「休廃業・解散」は資産が負債を上回っている状態にありながら事業を停止したり清算したりすることを言う。
「休廃業・解散」が増加している背景のひとつには、「社長の高齢化」がある。
社長というと大体何歳くらいをイメージされるだろうか?
全国の社長の平均年齢を取ると、おおよそ「60歳」になるそうだ。
地域別にこの平均年齢を見たとき、平均年齢が高い県ほど企業の「休廃業・解散」が多くなっている。また「休廃業・解散」が多い地域ほど、新設法人数が少ない傾向にある。つまり、地域経済の活力が低いとも言える。
地域経済が停滞気味で自身も高齢による気力と体力の衰えに加え、後継者不足に悩まされる社長が少なくない。
しかしその社長が率いる企業は他に代え難い技術力を持っていたり、地域の経済やコミュニティの要になっていたりしたかもしれない。
そして、そこで働く従業員のスキルが継承されることも再活用されることもないとしたら非常に惜しまれる。
後継者となるのも、ならないのも個人の自由。
育った地域で根を張って暮らす義務も、地域貢献の義務はない。
しかし奮い立つ誰かがいないと解決しない問題ではある。
流清