神前で
「まさか、祈祷中にぶりぶりとかしないよね?」
生後1ヶ月半になる息子は、おしりから「ぶりぶりりりー」「ぷっぷー」と軽快に鳴らし、普段から快調で安心している。それゆえ、お宮参り中の大惨事を奥さんが心配していた。
そのそばで、ニコッと笑みを浮かべる息子。
母の心配をよそに、当日となった。
親子ともに神社に祈祷しに行くのは初めての経験。滅多に本堂の中には入らないので緊張もしていたが、洗練された清らかな雰囲気に自然と心が落ち着いた。
そして、荘厳たる雰囲気の中、祈祷は始まった。
お祓いをしてもらったときの紙の擦れる音、金属が高らかに優しく鳴る音、精神が研ぎ澄まされる。
続いて、玉串の奉納と二拝二拍手一拝を行うために立ち上がった時だった。
「ぶりりりっ♪」
!?
研ぎ澄まされた耳に、突然軽快な音が聴こえてきて、奥さんと父と目を合わせることができない。目があったら吹き出しそうだからだ。
玉串を奉納する前に、う○ちを奉納するとは。
必死で笑いを堪えながら、玉串の向きはどちらが正しいかなどの必要のない質問をして動揺を隠した。
拝みながら、
(息子がどうもすみませんでした)
と願いに一言添えて謝罪。
神妙な面持ちで一同、本堂を後にした。
外にでて笑いが噴き出す。
おむつを確認してみると、神様に遠慮するかのように少量のう○ちが捧げられていた。
茶昊